高台化された新小岩公園の完成イメージ図(葛飾区提供) |
新小岩公園を10年掛けて海抜6メートルの高台化して、災害に備えるのだそうです。
12月18日の東京新聞の記事にはこう書かれていますね。
葛飾区の新小岩公園高台化 生活環境対策「きちんと議論」
広範囲の海抜ゼロメートル地帯を抱える葛飾区の青木克徳区長は十七日、水害時の避難先確保のため公園に建設残土を運び、高台化する構想を発表した。工事期間は十年に及ぶ。トラックによる振動や騒音などで住民の生活環境が悪化する心配もある。青木区長は「対策はきちんと議論し、区民に話していきたい」と説明した。 (酒井翔平)構想は、来年度から四年間で取り組む区の重点施策をまとめた「中期実施計画」の発表会見で明らかにした。荒川に沿って流れる中川に面した新小岩公園に、首都圏の建設工事で発生した残土を運び込む。東京東部の水害対策として国が来年度に制度化することを検討している「東京東部低平地『防災高台整備事業』」を、初めて適用する。処分に困った残土を引き受ける代わりに、業者には避難場所の造成費を負担してもらう仕組み。区の財政負担はない。新小岩公園は、最大六メートルかさ上げする。着工は来年で約十年で完成させる。青木区長は「水害時に短い時間で多くの区民が避難するのは簡単ではない。広い避難場所を確保するためにも、高台化を進めていくことが必要」と強調した。二〇二七年に開業するリニア中央新幹線の工事で発生する残土の量は、都内と神奈川県だけで東京ドーム十四杯分の千七百四十万立方メートルに上る。新小岩公園の高台化に必要な残土は二十二万立方メートル。青木区長は「(リニアの工事を)念頭に置いて準備している。(建設現場が)近いところのものが来ると思っている」と述べた。
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最大6メートルの盛り土の効果
建物でいえば2~3階の高さまで土を盛るということですね。
これなんのための盛り土なんでしょうか。
上の文章では
「広い避難場所を確保するためにも、高台化を進めていくことが必要」
としていますね。
「広い避難場所」
どれくらい広い土地なんでしょうか?
検証してみました。
現在の新小岩公園の広さは48,000平米です。
トップ画像のイメージ図ですと、現在の和楽亭あたりには盛り土をせず、運動トラックのあたりに土を盛っていますね。
盛り土で海抜6メートルとなる予定の面積を45,000平米として、避難時一人の面積を6平米(2畳)で計算しても8,000人分。
これは歩く面積もなくびっしりとテントを敷き詰めたような人数ですので、実際には5,000人ぐらいしか収容できないと思われます。
ちなみに、このあたりの西新小岩の人口だけでも15,000人程度。すでに収容しきれません。
それ以上に、新小岩公園を避難場所としている地域は、
- 東新小岩
- 西新小岩
- 新小岩(新小岩駅南口)
と広範囲であり、新小岩公園・平井大橋周辺に収容するのは、じつに非現実的です。
じつは私も避難場所は新小岩公園周辺ですが、諦めています。
このゼロメートル地帯をどうするのか?
うちのそばにもこんな看板が電柱に貼ってあります。
海抜4メートル?とも見えますが、よーく見ると
「荒川が氾濫したら4メートルの高さまで水が来ますよ」
ということです。
1階部分はまるまる浸水ですね。
こないだの鬼怒川決壊でいえば、こんなかんじでしょうか。
おそらく荒川が氾濫したらこれくらいのことは想定内ではないかと、思っているわけです。
鬼怒川決壊では一日半ぐらいは水が引かなかったわけですから、同規模の荒川氾濫があったら、新小岩公園までたどり着くだけでもたいへんなわけです。
なにしろゼロメートル地帯ですから。
たとえたどり着いても、高さ6メートルの新小岩公園は5,000人の収容人数を超えてしまい入れない、という状況が想定されます。
行政は行政なりに「避難方法」を考えてくれているのだと思うのですが、
ほぼ海抜ゼロメートル地帯の葛飾区民に求められているのは、「自力救済」なのではないかな?
とも考えています。
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というわけで、家ではとりあえずフローティングベスト買いましたよ。
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