2016年9月2日金曜日

[大人の立石] 半村良「葛飾物語」にみる立石の生活


先日、作家半村良さんが、葛飾本田本町の出身であることを書きました(大人のかつしか有名人)。


調べていくうちに、半村良さんが「葛飾物語」という作品を書かれていましたので、読んでみました。


この本は、昭和18年からほぼ10年おきのある一家と親戚の変遷をたどる物語です。

立石そして葛飾

春野久子の夫、基夫の祥月命日に集まる一家とその親戚や近所に住む人々。


その場所は、本奥戸橋と立石の中間辺りだったようです。まさに半村良さんの育った場所ですね。


赤ん坊を背負った老人は、奥戸橋を背に坂道を下っていく。道の向こうに側に風呂屋があって、ちょうどの入り口と向き合う位置に、喜多向観音を祀った小さな社があり、そこで足を止めると軽く両手を合わせ、背中の子どもとひと揺すりして、また歩き始める。(中公文庫11ページ)

昭和18年の祥月命日には、みんなが集まって、泥鰌を食べる。


奥戸に、うさぎの毛で防寒着を作る工場があり肉を分けてくれていたようだが、この店は中川で捕れた泥鰌も売っていて、 久子一家は集まってどじょうを食べる。


昭和18年といえば、まだ本土への空襲はないものの、ガダルカナル島やアッツ島で米軍に敗れており、戦局は悪化していた。


しかし葛飾はまだ、食べ物にあまり困っている様子はない。


面白い記述がある。

葛飾にいる知り合いに、太郎という名のつくものはめったにいない。それもそのはず。生まれた家は別々でも、みな次、三男以下の余計者ばかりだ。それがなんとか自立しようと、縁を頼って集まってきて、いまこの家にいるような人間構成になっている。(中公文庫29〜30ページ)

どことなく、寅さんのイメージがないだろうか。


実際この物語にも、やくざ者、大家さん、戦争未亡人、住み込みで働く若者。いろんな事情の人たちが肩を寄せ合う。

もちろん葛飾にも長男はいるのだけれど、余裕のある長男は葛飾を出てしまうのだろう。残った者たちが肩を寄せあって毎日を楽しく生きていく。そんな原形が昔からあるのかもしれない。

空襲と高射砲


第二章「昭和二十年の場」には、空襲の話が出てくる。


葛飾区の空襲による被害は、昭和十九年十二月二十七日、二十年一月元旦、一月二十七日、一月二十九日、二月九日、二月十九日、二月二十五日、三月四日、そして三月十日と続き、四月十三日の夜間爆撃で途絶えた。(中公文庫54ページ)

思った以上に葛飾は空襲を受けていた。


青砥の工場、金町駅前の工場ぐらいではないかと考えていた。なにしろ、ほとんどが田畑だったはずだからだ。


まばらに家が密集していたかもしれないけど、爆撃する程の事はない気がしてた。


以前、このブログでも「お花茶屋の高射砲」のことを記事にした。


この物語にも高射砲のことが触れられていた。


「あれは、お花茶屋の高射砲が当てたんだってね」
(中略)
「乗組員は全員死亡だったよね」
(中略)
「全部で十一人。高射砲陣地のそばの火葬場で火葬してやったんだ」

四つ木の斎場だろう。


かなりリアルな話だ。話の中には、四つ木にも高射砲陣地あったと書かれている。興味深い。


物語は平成まで続いてくが、興味のある方は葛飾区図書館でも借りられる。




2016年9月1日木曜日

[大人の亀有] 夏の終わりに、モダンで上質な寿司を食べる。亀有「鮨なかや」


今回は、亀有「鮨なかや」です。



暑い夏のまっただ中、なかなか生ものを食べたいという気持ちが起きませんが、「ここなら大丈夫」というお店を押さえておけば、安心して食べれますね。


「鮨なかや」は、亀有駅からあるいて10分ぐらい。


駅前からゆーろーどを直進した江北橋通り沿いにあります。



お店に暖簾はありません。


はじめは戸惑いましたが、次第に慣れてきます。


無駄のないシンプルな佇まいが、お店の性格を表しています。


お店に入ると10名程度座れるなが~いカウンターとテーブルが数席あります。


今回は、人数が多かったこともあり予約をしたため、上にぎりをお願いしました。


ランチ時の座席予約は、ランチにぎりではなく上にぎり以上となります。


カウンターに座れれば、板前さんと話しながら、ひとつづ握ってもらえますが、テーブル席の場合には二回に分けて運ばれてきます。



まずはひと皿目。


いづれも「醤油をつけずにお召し上がりください」とのこと。


私はいつも醤油をちょこっとだけしかつけない派なのだけど、この上にぎりには薄めの醤油がうっすらと塗ってあります。


素材と握りに自信がある証拠なのでしょう。


みるからに宝石箱のようなお寿司です。


実際に、ほたてもマグロもイカも、いずれもとてもおいしい。


一口ごとに魅了されます。



二皿目。


あなごとえび、巻物や軍艦が中心。


握りと巻物では、シャリの具合が変わってくるので、飽きないようになっています。


中央にあるのは、水なすの握り。


これが憎いぐらい、いいアクセントになっています。


いいセンスです。



デザートに黒糖ゼリー。


きなこがまぶされていました。


お寿司の個数は少なくないのですが、量の割には重さを感じさせない絶妙なお寿司でした。



鮨なかや
ジャンル:寿司屋
アクセス:JR常磐線亀有駅南口 徒歩6分
住所:〒125-0061 東京都葛飾区亀有2-61-4(地図

周辺のお店のネット予約:
魚民 亀有北口駅前店のコース一覧
海桜鮪と海の生ハム 脇口屋 綾瀬店のコース一覧
炭火焼肉ひばち 本店のコース一覧
周辺のお店:ぐるなびぐるなび 亀有・青砥×寿司
情報掲載日:2016年9月3日
鮨 なかや寿司 / 亀有駅
昼総合点★★★★★ 5.0

2016年8月31日水曜日

[大人の宿題店] 9月になったら行きたいお店


さて、9月に入ったら行ってみたいお店のリストアップです。8月はさすがに暑くて、うごけませんでしたね。今月も宿題、貯まる一方です(汗


希望のお店をネット予約


長門
ジャンル:ラーメン
アクセス:京成本線堀切菖蒲園駅 徒歩2分
住所:〒124-0006 東京都葛飾区堀切3-9-9(地図


堀切菖蒲園に限らず、ラーメン屋さんは増えているものの、中華料理屋さんが無くなってきているような気がします。この長門さんもラーメン、餃子で売っていますがいつまでも続いて欲しいですね。


梅山
ジャンル:寿司屋
アクセス:京成金町線京成金町駅 徒歩3分
住所:〒125-0042 東京都葛飾区金町5-26-4(地図


加津良
ジャンル:割烹
アクセス:JR常磐線亀有駅北口 徒歩3分
住所:〒125-0061 東京都葛飾区亀有5-28-2(地図


亀有おはしフレンチビストロミュー
お店の雰囲気も良さそうですねぇ。行ってみたいです。


炙り屋台 喜多屋
ジャンル:居酒屋
アクセス:京成押上線京成立石駅 徒歩1分
住所:〒124-0012 東京都葛飾区立石4-25-10(地図


寿々喜そば
ジャンル:そば
アクセス:京成成田空港線・北総鉄道線京成高砂駅 徒歩15分
住所:〒124-0021 東京都葛飾区細田4-7-15(地図


蕎麦 泉匠
ジャンル:そば
アクセス:京成本線京成小岩駅南口 徒歩12分
住所:〒124-0021 東京都葛飾区細田5-10-11(地図


吟庵(高砂)

お蕎麦には目がないのでぜひ行きたいのだけど、食べログみると「店舗の運営状況が確認できない」なんて出ていますね。Facebookでも2016年03月までの書き込みしかなく、ちょっと不安。


オステリア ルーチェ
オステリア ルーチェ
ジャンル:イタリア料理
住所:〒125-0042 東京都葛飾区金町5-36-8(地図


トラットリア た喜ち 高砂店
ジャンル:イタリアン
アクセス:京成成田空港線・北総鉄道線京成高砂駅北口 徒歩3分
住所:〒125-0054 東京都葛飾区高砂5-46-3 スカイコート高砂第3 1F(地図


吉田うどん 五葵

「吉田うどんが食べれるんだ!」
という素直な気持ちで行ってみます!

2016年8月30日火曜日

[大人の一丁目一番地(18)] 堀切1丁目1番地に行ってきたよ。大正初期まで、ちょっとしたピクニックの目的地


今回は、堀切1丁目1番地です。


堀切という住所表記は広いですね。



現在でも、南に四つ木、北に足立区と接する南北に広い地域です。



しかし荒川の向こうには、東武線の堀切駅があるぐらいですから、荒川が開通する大正初期にはかなり広い土地を指していたのではないでしょうか。


1900年頃の堀切周辺です。


この頃は、「南綾瀬村」というところに属しており、名前通り綾瀬の南側でした。


現在の堀切の住所は、この南綾瀬村のほとんどを引き継いでいるようです。


堀切といえば菖蒲園


上図に赤い印をつけたのは、堀切周辺にあった「菖蒲園」です。


現在は「堀切菖蒲園」ひとつだけが有名ですが、太平洋戦争以前にはこのあたりにはいくつもの菖蒲園がありました。


菖蒲園のエピソードについては過去の記事を参考にしてくださいね。


さて、堀切菖蒲園。


荒川が開通する前には、堀切菖蒲園にもっとも近い駅は、東武伊勢崎線の堀切駅でした。


荒川が開通したことで、東武伊勢崎線は葛飾区の対岸となり、堀切駅は川の向こうとなってしまいました。



東武伊勢崎線堀切駅は、近所に鐘淵紡績(旧カネボウ)の工場がありかなり賑わっていたことが予想されますが、観光地としての堀切菖蒲園が捨てがたかったのか、駅の前から荒川を渡る橋をかけています。旧堀切橋ですね。現在の高速道路のあたりです。

明治大正までのピクニック

堀切菖蒲園にかぎらず、どうやら江戸時代のころには、「大川(隅田川)の向こうの菖蒲がたくさんある所」として、ピクニック気分で訪れるエリアだったようですね。


もともと堀切周辺は、江戸に花を売りに行く「花農家」が多かった場所。


春になって、気候も良くなって、「花でも見に行こうか」なんて気分になると、堀切に行ったのかもしません。


当時は細い綾瀬川しか通っていませんでしたので、粋な江戸の人たちは、綾瀬川に船を浮かべて菖蒲を楽しんだに違いありません。



2016年8月28日日曜日

[大人の堀切] 旨すぎてテンションあがる焼肉を食べよう!A5ランクの牛肉をおいしくいただく「焼肉大門」。予約必須です。


今回は、堀切の「焼肉大門」です。


いぜんからウワサは聞いていたのですが、今回やっと訪問できました。



お店までの道のりは、地元ではないとけっして簡単ではありません。



「堀切中央病院のうら」ではあるのですが、鉄道の駅にも近くなく、隠れ家的なお店になっています。


お店のファザードは、ちょっとモダンで、シンプル。


このお店の性格を象徴しているかのような店構えです。


お店の中は4人がけテーブルが3つ、8人程度が座れる大テーブルが一つ。


地元でも人気店ですから、予約必須です。


私達が食べている間にも5組程度、予約なしのお客様がいらしていました。


今日は初回ですので、コースをお願いしました。


メニューを選んでいた時も、「さまざまなお肉を少しづつでもいいですよ」とおっしゃってくれた女将さん。


「大門」は、大将も女将さんも、客の都合にできるだけ合わせようという姿勢が感じられ、とても安心して食べられます。


おっしゃっていただいたように、好きな肉を少しづつでもよかったのですが、結果的には、なにしろびっくりするぐらい美味しいので、4,100円のコースでも十分に堪能できました。



カルビ、タン、リブロース...どれをとっても、いままでの焼肉の常識を超えるような味です。


どの肉も脂身が甘く、肉もまったくクセがなく、いくら食べても胃に重たい感じがありません。



豚は白金豚。


辛めの味噌で香ばしく焼きます。


これも脂からうまい。


なんども言いますがうまいです。


リピート必須のお店です。


ぜひ「予約して」行ってみてくださいね。

大門
大門
ジャンル:焼肉・ホルモン
アクセス:千代田線綾瀬東口 徒歩15かバス分
住所:〒124-0006 東京都葛飾区堀切7-8-14(地図

周辺のお店のプラン予約:
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情報掲載日:2016年8月28日