2021年5月1日土曜日

【大人の立石】 「立石駅北口地区市街地再開発組合設立」が認可され、葛飾 立石の再開発はどこに行くのか?

 

葛飾立石再開発予想図

葛飾区では、金町、高砂と並んで立石の再開発が注目されています。
そのなかでも立石は、区役所の移転が絡んで、なにかと話題になります。
この記事では、葛飾区立石の再開発について網羅的に解説しています。






目次

なんで再開発するの?

立石ってどこ?

立石は、葛飾区のちょうどまんなかあたりにあります。
京成電鉄押上線(押上 - 青戸)の途中にある京成立石駅を中心に広がっている街です。

京成電鉄路線図。立石駅
地図でいうと、このあたりです。

なんで再開発するの?

大きな理由は2つあります。

京成電鉄高架事業

ひとつは、京成押上線の高架事業です。
四ツ木-立石間は、平和橋通りなど東京東部の大動脈に踏切があることから、以前より高架化が望まれていました。こちはら、すでに2021年4月現在、工事が着々と始まってきています。
高架化によって、11の踏切が廃止されます。

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安心・安全な街づくり

もう一つは、じつはこちらのほうが深刻かもしれませんが、立石駅周辺が「安心・安全」に住める街ではなくなっているという現実です。
最近でも2018年07月の「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」においても、京成立石駅周辺は、危険な地域と認識されています。
東京都が結果を発表した「地震に関する地域危険度測定調査(第8回)」によると、立石駅北口地区第一種市街地再開発事業の範囲内となる「立石4丁目」は建物倒壊危険量では1ヘクタールあたり11.91棟が全壊する危険性があり、順位は島嶼部を除く都内の全5177カ所(町丁目)のうち118位だった。火災危険量も1ヘクタールあたり6.75棟が全焼する危険があり、順位は159位だった。また、総合危険度でも順位は172位と都内でもかなり上位に位置している。同じく北口地区の再開発事業範囲内となる立石7丁目では建物倒壊危険量では1ヘクタールあたり11.16棟が全壊する危険があり、順位では153位とこちらも上位に位置している。(東洋経済HP)

現在の計画

葛飾区立石の再開発ですが、いまのところ最終的にはどんな形を目指しているのでしょうか。
葛飾区の資料から確認してみましょう。

まず、京成立石駅を中心とした再開発は、「北口地区」と「南口地区」に分かれています。
南口地区の再開発は、まだ具体化されていない部分が多いので、この記事では北口地区の再開発のみを扱っています。

エリアは、上記Google Mapの北側の土地です。



葛飾区のHPによると、最終的にはこのような建物になるようです。
西街区東街区
敷地面積約7,130平方メートル約4,660平方メートル
建築面積約4,900平方メートル約3,260平方メートル
延べ面積約79,200平方メートル約41,100平方メートル
容積対象床面積(容積率)約57,000平方メートル(約800%)約32,600平方メートル(約700%)
主要用途住宅、店舗、駐車場、駐輪場事務所、店舗、公益、駐車場、駐輪場
住宅戸数約650戸-
規模・構造地上35 階・地下2 階 高さ約120m 鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造地上13 階・地下3階 高さ約62m 鉄筋コンクリート造

立石再開発の経緯

まずは、これまでの立石再開発の歴史を見ておきましょう。
わかりやすいように、最近の出来事が最上段に来ています。
2021.04立石駅北口地区市街地再開発組合設立認可
2018.12参加組合員予定者として、東京建物株式会社、旭化成不動産レジデンス株式会社、一般財団法人首都圏不燃建築公社を選定、組合設立説明会を開催
2018.05全体説明会(従前資産評価、資金計画、スケジュールについて 等)を開催
2018.04税務説明会を開催
2017.12全体説明会(従前土地評価・補償、施設建築物基本設計について 等)を開催
2017.11補償勉強会を開催、施設計画検討会を開催
2017.10家主様向け勉強会を開催
2017.09施設計画検討会を開催
2017.08全体説明会(従前資産評価の考え方、補償について、現況測量及び建物調査の実施について等)を開催
2017.066月6日に都市計画決定・告示されました
2016.11都市計画手続き開始に向けた再開発説明会を開催
2016.06総合コーディネーターに協同組合都市設計連合を選定
2016.05都市計画素案作成に向けての経過報告会を開催
2015.05施設計画経過報告会を開催
2015.04『噂の東京マガジン』(TBS系)で、再開発反対派の話題が取り上げられる
2014.11都市計画コンサルタントに株式会社日本設計を選定
2014.10葛飾区より「区庁舎整備基本構想」が発表され、立石北口地区が総合庁舎の最優先候補地となる
2008.12「準備組合」が事業協力者として旭化成不動産レジデンス㈱と一般財団法人首都圏不燃建築公社を選定
2007.10「再開発研究会」が「立石駅北口地区市街地再開発準備組合」を設立
2003.11京成電鉄:連続立体交差事業がスタート
2001.01交通広場に係る都市計画決定
1998.04葛飾区が「立石駅周辺地区まちづくり事務所」を開設
1997.03立石駅北口地区権利者が「立石駅北口地区再開発研究会」を発足
立石駅北口地区市街地再開発準備組合HPからオトカツが加筆

区役所が駅前再開発の高層ビルに移転する計画があります

葛飾区役所新庁舎イメージ画像


総合庁舎についても、平成26年10月に「葛飾区総合庁舎整備基本構想」を策定し、「安心・安全を支える おもてなしサービスの拠点」を理念として、めざすべき庁舎の役割・機能・規模などの方向性を示すとともに、最優先候補地として「立石駅北口地区」で計画されている再開発事業で建てられる建物の床を取得し、移転することを選定しました。(葛飾区役所HP
 
しかしながら、莫大な税金を使っての、駅前ビルへの移動については、根強い反対もあります。

再開発に反対意見もあります

京成立石駅周辺の再開発には、反対意見もあります。
その大きな理由は、人と人のつながりが壊れてしまう、というもののようです。
再開発で建った高層ビルは家賃が高く、個人店舗は入居しづらくなります。その結果、大手チェーン店ばかりなってしまい、街の風情も壊れます。
また、再開発によって街の活気は失われ、京成立石の魅力が亡くなってしまうことを危惧しているようです。

これには、葛飾区議の梅田信利さんも、いぜんから訴えていらっしゃいます。

 

立石駅北口地区市街地再開発組合設立認可

2021年04月28日に、立石駅北口地区市街地再開発準備組合に再開発の認可がおりました。
これにより、
東京建物、旭化成不動産レジデンス、首都圏不燃建築公社は市街地再開発組合設立に向け事業の推進に協力してきたが、後日開催される再開発組合設立総会を経て、正式に参加組合員として再開発事業に参画する。(流通ニュース

そして、今後は
2022年度の権利変換計画認可を経て2023年度に着工、2028年度の完成を目指します。(建設通信新聞