でかんしょ、ちょっとご無沙汰していた。
今日は新小岩にもある立ち飲み居酒屋「でかんしょ」で軽く飲む。
この店は間口の半分近くを焼き鳥台としているので、出入りする間口が狭く、奥に深い。そして窓がない。
見上げるところに置かれたテレビだけがギラギラしている薄暗い店内。
焼き鳥の煙で煤けた天井。
カウンターととまり木のような椅子で座るテーブルしかない。
昭和のまさに「大衆」向け居酒屋のニオイがぷんぷんする店だ。
酒やツマミを現金で購入しても十分安いのだけど、でかんしょのシステムに乗っかるなら回数券だ。
1000円札1枚出すと50円券が22枚ついた回数券が渡される。100円おまけ。
酒やツマミが来たら、この回数券からちぎって渡す。
シンプルで、酔っぱらいにもわかりやすいいいシステムだ。
「チューハイひとつ」
「マカロニサラダひとつ」
焼き物には時間が掛かるが、サラダのように冷蔵庫から出てくるものは、酒と同時に瞬間的に出てきて嬉しい。
この2つで350円。
「じゃぁ券もらってイクネ。7マイネ」
フロアーで接客する人たちはみんな中国人だ。日本語が微妙にうまい。
中国人のおねえちゃんに不器用に回数券を切りながら、50円券7枚もっていかれた。
22枚綴りだったから、あと15枚。
まだまだいける。
となりのテーブルで、もうすっかり出来上がったおっちゃんが携帯で電話している。
「おしえないよぉ」
「うるせいなぁ、今日はね、帰らないから」
「え?なに?そうだよ、宝くじで1,000万当たったんだよ」
私を含めたまわりの人が、慌ててこのおっちゃんの方を見る。
視線が集まって、一瞬店内が静かになったような気がしたけど、失礼ながら金持っていそうには見えないおっちゃんの姿を確認して、他のお客たちはまた賑やかさを取り戻す。
ただの酔っぱらいだ。おそらく。
たとえ1,000万円当たってたとしても、そのお金が僕のところに来ることはないし。
おっちゃんに構ってないで、なにか食べるもの頼もう。
「レバーとつくね、たれで!」
焼き鳥は二本づつ。
タレか塩で。
この2皿で250円。
中国人のおねえちゃん、回数券を5枚、黙って持っていく。
あと10枚。
まだいける(笑
さっきのおっちゃん、まだ電話してる。
「うそじゃねぇよ」
「え?どこにいるかって?」
「おしえねーよ」
「おねぇちゃん!おねえちゃん!熱燗もういっぱい」
「でかんしょじゃねぇよ」
居場所、しゃべっちゃってるじゃん。
冷蔵庫の上のギラギラテレビで、なんだか面白くないバラエティをやってる。いつのまにテレビってこんなに面白くなくなっちゃったんだろ。
テレビの中の人は盛り上がっているけど、でかんしょの人たちにとってはBGMだ。
昭和の薫りがするお店だけど、昭和の時代と違うのは、テレビの中に魅力がないことかな。
おっちゃんたちは、うつろな目で煙草の煙をくゆらせながら、見るともなくテレビを見ている。
若いお兄ちゃんたちは、スマホをいじりながら一人飲みだ。
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「チューハイおかわり」
回数券4枚使った。
あれ、となりの宝くじのおっちゃん、いつのまにか居なくなってる。こっちが酔ったか?
おっちゃん、居場所がバレてトンズラしたか?さてはほんとに1,000万当たってたのか?
どっちでもいいや。
「チューハイもう一杯」
また回数券4枚使う。
残った回数券は2枚。
チューハイ3杯、焼き鳥4本、マカロニサラダ1つ。これで1,000円。
これがセンベロの真骨頂か。
やっかいなのは残った2枚の回数券。
今度夕方ちょっと飲みたくなった時、財布を見ると黄色い回数券が残っていたりする。
そうなるとまた、でかんしょに行ってしまうのだよ。
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でかんしょのおすすめの料理?
申し訳ないけど、ここは値段だけが勝負だ。
初心者は壁に掛かった1000円札1枚握りしめて、メニューを見ながら安いのから頼んでみよ!
でかんしょの楽しさをきっと満喫できるだろう。
もう一杯飲んじゃおうかな。また1,000円券買っちゃおうかな。
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