今回は、葛飾区郷土と天文の博物館で開催されている、「セルロイドの町 かつしか」展を見てきましたよ。
葛飾区郷土と天文の博物館は、京成お花茶屋駅から歩いて10分弱。
駅から少し離れていますが、曳舟川親水公園沿いのとても静かなところにある博物館です。
建物の屋根にこんもり乗っているドームはプラネタリウムです。
いろいろなプラグラムで天文の世界を垣間見ることができます。
さて今日は、葛飾の20世紀前半を支えてきたセルロイド工業が展示されている「セルロイドの町 かつしか」を見に来ました。
まずは、展示の趣旨をみてみましょう。
わが国では大正初期から昭和40年代にかけて、セルロイド素材の生活雑貨や玩具などが生産されていました。特に葛飾区では、セルロイド玩具の生産が盛んで、四つ木、立石などに多くの工場が存在していました。 この特別展では、葛飾区のセルロイド産業の状況や技術について、当時携わった人々の視点を通じて紹介していきます。日本の近代化を支えたセルロイド産業の歴史や文化を再検討する機会となればと思います。 特別展示として、「世界で初めて作られたビスク製キューピー人形」が展示されます。ぜひご高覧ください。(ホームページより)
展示されているのは、セルロイド製品の作り方や、代表的セルロイド人形のキューピーコレクション、生活用品の中に溶け込んでいるセルロイドなどをみることができます。
会場は撮影禁止でしたので、ここでは日本のセルロイドの歴史から紐解いてみましょう。
- 1913年 永峰セルロイド工場(亀有)創業
- 1914年 亀戸ローヤル創業
- 1914年 千種セルロイド工業創業
- この千種セルロイド工業が葛飾のセルロイド工業の始まり。
- 1918年 関口セルロイド加工所創業
- のちの「株式会社セキグチ
- 1920年代、セルロイド生産世界一に
- 1954年 米国で可燃物質規制法可決。セルロイドの米国輸出ができなくなる。
実際には1955年にはセルロイド工業はまったくの下火になってしまったようです。
セルロイドは加工しやすいというメリットがある一方、燃えやすいという欠点がありました。
白木屋大火災 |
1932年の日本橋白木屋の火災も、製品のセルロイドに引火したことから大火災となりました。
葛飾区内でも、セルロイド工業が盛んだった40年間は火災が多かったようです。
キューピー人形 |
さて、セルロイドというとキューピー人形ではないでしょうか?
今回の展示では、このような人形の製造工程も見ることができます。
キューピー人形などは、セルロイドの間に空気を入れて胴体の膨らみを内側から作るのですね。
セルロイド製品って人形だけじゃないみたいです。
アコーディオンの胴体 |
メガネのフレーム |
万年筆の胴体 |
いろいろ使われてきたんですね。
セルロイドならではの手触り、色合いなどが魅力なのですが、1960年代以降はプラスチックなどの新素材にとって代わられているようです。
この展覧会は2017年1月9日まで。
ぜひ葛飾の20世紀前半を支えた産業を振り返ってみてください。
葛飾区郷土と天文の博物館
休館日
- 月曜日(祝日の場合は開館)
- 第2・4火曜日(祝日の場合は開館し、その直後の平日は休館)
- 年末年始(12月28日~1月4日、1月2日・3日は正午~午後5時のみ開館。)