トップ画像、綾瀬川に掛かる「堀切菖蒲水門」です。
場所はここです。
堀切菖蒲園から荒川方面に歩くと高速道路の脇に見えます。
見たことありませんか?荒川に沿って流れる綾瀬川にかかっている水門。
以前から「この水門なんのためにあるの?」と思っていたところ、
“普段入れない”堀切菖蒲水門の内部をお見せします! ~完成後20周年記念イベント~
なんてイベントががが!
というわけで行ってきました。
なんでここに水門が?
堀切菖蒲水門ができたのは平成9年(1997年)。
ここに水門を作るきっかけとなったのは、平成3年(1991年)の台風18号による綾瀬川氾濫でした。
この綾瀬川は四つ木で中川と合流し、また海の干満の影響を受けやすい川でもあることから、川の水が逆流しやすくなっていました。
堀切橋の上流には以前から、「綾瀬水門」「綾瀬排水機場」がありました。
綾瀬水門は荒川の水を綾瀬川に流すための水門。
綾瀬排水機場は、綾瀬川の水を荒川に流すための設備。
大雨が降ると、綾瀬水門を閉めて、綾瀬排水機場をフル稼働するわけです。
これによって増水した綾瀬川の水は排水機場から荒川に流され、水害が防げるはずでした。
しかし実際には、下流から逆流してきた水が堀切橋より上流へと流れ込んだため、排水機場の処理能力を超えてしまい、水害となってしまいました。
そこで、この逆流を防ぐ水門として建設されたのが葛飾菖蒲水門です。
つまり、大雨が降った時は「綾瀬水門」「綾瀬排水機場」「堀切菖蒲水門」の3つの設備で対応しているわけです。
なんで水門は円筒形なの?
この水門、近づいてみるとわかるのですが、この赤い部分「水門」になるのですが、円筒形なんです。
普通はこういう水門ですよね。
一枚板が上下して、門を開閉するわけです。
円筒の半分が降ろされ、残った半円筒の門 |
葛飾菖蒲水門は、円筒の門が上流側と下流側の二枚構造になっています。かまぼこが二枚合わさった形ですね。
なんで?
もう一度堀木菖蒲水門の全体写真を見てください。
右端の建物は高速道路の高架下 |
水門の上に建物が3つ並んでいますが、一番右の建物は高速道路の高架下に入っちゃってます。
このあたり広い場所がないので仕方ないのですが、建物の高さはこれが目一杯なのだそうです。
水門を1枚板にしてしまうと、高いところまで持ち上げないと水門が開かないわけです。そのためにはこの3つの構造物も高い場所に置かないといけないのですが、高速道路にひっかかる。
そこで2枚板にしてあるのだそうです。
なーるほど。でもなんで円筒形なの?
堀木菖蒲水門は、その性格上逆流する水をせき止めることもあるため、上下からの水圧を逃がすことができるよう円筒形なのだそうですよ。
「二段式ローラーゲートシェルタイプ」って言うのだそうです。
水門を上下するワイヤー巻取り |
巻取り計測器 |
そもそも、荒川と綾瀬川はなんで合流しないの?
また、後半では、パネルを使って堀切菖蒲水門の歴史や役割を丁寧に説明していただきました。
このなかには、荒川掘削当時のことや川の機能のこともパネル展示されていたのですが、以前から疑問だったことがパネルになっていました。
なぜ、荒川と中川・綾瀬川は平行に流れているのか?
荒川と中川・綾瀬川とでは革の長さが大きく異なるため、大水が出た時流出する時間差があります。中川の水位が下がったあとに荒川の水位が上がるため、荒川と中川・綾瀬川を合流させておくと、荒川を流れる大量の水が逆流し、中川・綾瀬川を溢れさせてしまうのです。こうしたこともあり、中川・綾瀬川の流れを変え、加工まで平行して流れるようつかけたのです。ビックリ!
荒川放水路の工事着工が明治44年(1911年)ですが、そのときからこのようなことが考慮されていたのですね!
終わったあとは、ちょっと水門マニアになった気分。
またこのようなイベント行ってみたいな~