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今回の「区境を行く」は、小菅です。
この地図のうち、首都高速三号線から左側がテーマです。
このエリア、北部に東京拘置所、南部に小菅水再生センターがあり、民間の土地がほとんどありません。
そこで今回は、北部の東京拘置所を扱います。
東京拘置所の歴史
すでに一丁目一番地「小菅」にも書きましたとおり、東京拘置所は明治時代には「小菅監獄」として囚人を収容する機能がありました。
1900年小菅監獄 |
今回東京拘置所周辺を歩いていても、正面玄関付近に煉瓦が置かれていました。
この煉瓦は、銀座の路地や建物、法務省庁舎などに使われており、明治時代には煉瓦といえば小菅というブランドだったようです。
戦後、都市計画にしたがって巣鴨にあった東京拘置所が、この小菅に移転してきました。
巣鴨の跡地は、現在サンシャインシティですね。
ちなみに東京拘置所に収監されているのは、関東、中部地域の死刑が確定した囚人です。
拘置所の周囲を歩いてみた
東京拘置所のまわりを一周してみました。
残念ながら、拘置所の建物に対して写真を取ることは禁止されているとのことでしたので、拘置所の写真はありません。
東京拘置所の北と西は、お堀に囲まれていました。
この場所は、江戸時代「小菅御殿」と呼ばれた将軍の鷹狩の際の休憩所でもありましたので、江戸時代からおそらくお堀があったのかもしれません。
また、東京拘置所の南が正門、東が綾瀬川であることを考えると、残る北と西にお堀があったのは偶然ではないのかもしれません。
拘置所のお堀沿いは、遊歩道が整備されていました。
デリケートな場所だけに、地域にいろいろな配慮が必要なのかもしれません。
西側までまわると、滝まで整備されていました。
正門付近には、こんなディープなお店が
正面玄関に通じる通りには、あまり見ないお店がありました。
「保釈保証金建て替えします」という看板が。
あ〜、そういう需要あるんですねぇ。
しかし、失礼ながら回収できるのでしょうかねぇ。
ちょっとディープな感じになってきましたね。
住宅と拘置所しかないところで、テーラー?
保釈された時にスーツを準備できるようにでしょうか?
考え過ぎ?
極めつけは「池田屋差し入れ店」
差し入れ店?
駄菓子屋さんのような構えのお店は、実は拘置所に無くてはならないお店。
東京拘置所内の本人に差し入れを行いたい場合に、利用されている売店です。東京拘置所に認められたお店なんですね。
差し入れ品をすぐに買いたい場合、最寄の売店の一つになります。
また、菓子や食事などを差し入れたい場合、池田屋などでの購入品でないと、差し入れできません。
また、同じようなことは、布団など他の差し入れ物でもあります。そのため、池田屋はよく利用されています。
なお、東京拘置所内に、「両全会」という売店もあります。こちらでも、概ね、同じ扱いです。東京拘置所完全ガイド
なんでも
店内の棚で目につくのは、やはり日持ちする缶詰食品の類ですが、場所柄、凶器になり得るプルトップ式は禁止されています。『大東京23区散歩(泉麻人)』だそうです 。
いろいろあるのですねぇ。
小菅の東側は、古隅田川が関係する違った意味でディープな区境ですが、それはまた別の機会に。