3日間で総雨量548ミリ
葛飾区は、荒川の洪水についての
ハザードマップを公開しています。
これをみると
葛飾区荒川洪水ハザードマップは、荒川流域で3日間に総雨量548ミリメートルの大雨(200年に1回程度発生する規模)により、荒川下流域で堤防が決壊した想定で作成した「浸水想定区域図」をもとに作成したものです。
となっていますね。
どうやら葛飾区は、めったに起こらないけど、3日で548ミリも降って荒川の堤防が決壊すると葛飾はこうなっちゃうよ、という想定をしているようです。
具体的に見てみましょう。
葛飾区西部(都心より)は4メートルの高さの水が来ます
これは浸水地域を中心に切り取ったものです。ご自身のエリアは上記ホームページから確認してくださいね。
さて、浸水4メートルとはどれくらいでしょうか?
浸水深 浸水程度の目安
0~0.5m 床下浸水(大人の膝までつかる)
0.5~1.0m 床上浸水(大人の腰までつかる)
1.0~2.0m 1階の軒下まで浸水する
2.0~5.0m 2階の軒下まで浸水する
5.0m~ 2階の屋根以上が浸水する
一般には、1階部分の高さは3メートル程度、と言われています。4メートルといえば、2階建ての家のベランダぐらいまでは水が来るイメージでしょうか。
奇しくも、今回の台風19号で決壊した千曲川付近の浸水は4メートル超だったみたいです。
ハザードマップではどう逃げろと言っているのか?
さて、4メートルの高さの浸水がある場合、ハザードマップではどう逃げろと言っているのでしょうか。
2階建て以下の場合、避難所に逃げる
3階以上の場合、3階に逃げる
となっています。
一軒家の多くが2階建てだと思いますが、私の家を含めて、2階建ては絶望です。
いいですか?
逃げるしかないのです。
万一避難できたとしても、電気・ガス・水道・トイレが使えないところで2週間生活なければならないことを覚悟しなければなりません。
台風19号はどれくらいの雨量か?
それでは、今回の台風19号はどれくらいの水量だったのか?
国土交通省川の防災情報で見てみましょう。
見てみると、台風19号は最大1時間に40ミリの雨を降らせながら、ほぼ12日の一日だけで200ミリの雨を降らせています。
区の想定は3日で548ミリ
台風19号は1日で200ミリ
これを書いていてもどきどきしますね。
区の想定が三日間かけて降った場合に対してその1/3の時間でほぼ同量の雨が降ったわけです。
それでも被害がほとんどなかったのは、奇跡だったのかもしれません。
今回、記事
[大人の台風19号] 首都圏の治水をコントロールしてくれた皆さん~にも書いたように、関東地方整備局や建設省の懸命な努力もあり、荒川の決壊は免れました。
上流の二瀬ダムの放水があったら、きっと決壊していたでしょう(素人考えですが)
つまり、結果から申し上げて、今回の台風19号は「区外に逃げるべき」事案だったことになります。
次回同等の台風が来た場合には、
逃げろ!生きろ!
という選択肢が正解なのではないでしょうか。
葛飾区の荒川下流にある江戸川区では、
もう区内にとどまってはだめだ
と警鐘を鳴らしています。
葛飾区も、もう少し危機意識を区民に持たせてもよいのではないでしょうか。
葛飾区のハザードマップがほしい方は
葛飾区では、平成18年から荒川、江戸川、中川・綾瀬川の三種類の洪水ハザードマップを作成し、区内全戸に配布しました。これらのハザードマップは、区内6箇所の区民事務所及び葛飾区役所内の広報課・戸籍住民課・防災課・街づくり調整課の窓口で配布しています。